
25年Q3に多くのファンドが買い増ししている
なぜ多くのファンドが追加しているのか、その要点を以下にまとめます。
・作用機序の納得感
主力の「AVTX-009」は抗 IL-1β 抗体。HS(化膿性汗腺炎)は炎症性サイトカイン(特にIL-1β/インフラマソーム軸)の関与が強く、病態仮説と合うターゲットです(学術面の裏付けが厚い領域)。
・試験規模と設計
Phase 2「LOTUS」プログラムの登録目標は約250例で、標準的なHiSCR評価を用いる無作為化プラセボ対照。投資家向け資料・SEC提出文書で規模感とトップライン時期(2026年半ば見込み)が示され、イベントの見通しが立つ案件になっています。
・競合の “空きポジション”
HSでは TNF(アダリムマブ)→ IL-17(セクキヌマブ/ビメキズマブ)と選択肢は拡大しましたが、十分な応答率・持続性・忍容性の面でアンメットは残るため、別軸(IL-1β)の差別化余地に資金が集まりやすい。IL-17のHS適応承認(2023–2024年)は市場の大きさを可視化し、新規作用機序への期待も押し上げています。
・相対バリュエーションの魅力
中規模の Ph2 読出し前で、パイプライン集中×明確なイベントという “イベントドリブン投資” に向いた条件がそろう。競合の一部(例:経口JAK1)は Ph3 で有効性が相対的に見劣りとの指摘もあり、差別化チャンスを材料視する向きがいます。
2025年9月22日:中等度〜重度HSを対象とするAVTX-009(抗IL-1β)Phase 2:LOTUS試験の最新アップデートを発表(トップライン2026年中頃見込み)。
2025年5月16日:四半期アップデートで、IL-1βドリブン第2適応のPoC試験を2025年下期に計画と開示。
承認済み製品:なし(開発中)
主力候補:AVTX-009(抗IL-1β)— 炎症性疾患(まずHS)を対象。
補足:IL-1βドリブンの第2適応PoCを計画(適応名は未公表)。
対象:中等度〜重度 HS(LOTUS:DBPC)
作用:IL-1β 中和(抗体)
対象:IL-1βドリブン疾患(適応名は未公表)
作用:IL-1β 中和(抗体)
| パイプライン | 対象 | 臨床フェーズ | 規制デザイン | 安全性(AESI) | 用法・用量 / 併用戦略 | 市場規模イメージ | ポイント(市場評価) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| AVTX-009(抗IL-1β) | 化膿性汗腺炎(HS) | Phase 2 | DBPC P2(有効性・安全性) | 感染症リスク等(クラス留意) | 皮下注想定/既存生物学的製剤とのポジショニングを探索 | 中〜大:炎症皮膚科 | トップラインQ2 2026目安。差別化は応答率・持続性・忍容性 |
| AVTX-009(抗IL-1β) | 第2適応(IL-1βドリブン) | Phase 2(PoC計画) | 小規模PoC(適応・主要項目は起動時に確定) | 感染症リスク等(クラス留意) | 適応特性により投与設計を最適化 | 中:炎症・免疫 | 2025年下期に起動計画。早期シグナルで適応拡大の可否を判断 |
- 集中戦略:AVTX-009に経営資源を集中し、まずHSでのPoC確立→第2適応へ展開。
- スピード重視:HSのPhase 2トップラインをQ2 2026に設定し、レジストリ・処置歴での層別を踏まえた差別化を狙う。
- 選択と集中:第2適応PoCは小規模・短期で意思決定を早め、資本効率を確保。
主要ファンドのポジションからの考察を加えて
AVTX-009(HS)Phase 2:LOTUS試験
登録進行・中間安全レビュー(社内)・運営KPIを四半期で点検。
AVTX-009 第2適応PoC 起動
適応名・主要評価項目を開示→siteアクティベーション→FPI。
HS Phase 2 トップライン
主要評価項目(有効性・安全性)を開示し、P3/レジ戦略へ移行判断。
第2適応PoCの起動アナウンス(適応名・プロトコル詳細)
HS Phase 2 LOTUS トップライン
HSのP3設計開示/第2適応の継続判断
