
2025年12月24日:SanofiがDynavax(DVAX)を買収する契約を締結。株主は1株あたり$15.50(現金)を受領予定。買収完了見込みは2026年Q1(手続き進捗・条件充足次第)。
2025年(決算IRより):DVAXは商業製品(HEPLISAV-B)と、ワクチンの免疫増強剤であるCpG 1018(アジュバント供給)を収益の柱としつつ、CpG 1018を核にした自社ワクチン開発を推進。
2025年(決算IRより):Z-1018(帯状疱疹)はPhase 1/2(Part 1完了・Part 2進行)。Part 2 topline + Part 1 12か月追跡は2026年後半(=2026年Q3–Q4)見込み。
2026年:Pandemic Influenza(H5N1 + CpG 1018)はPhase 1/2 Part 2 toplineを年内に予定(時期は会社表現ベース)。
2025年(決算IRより):Plague(rF1V + CpG 1018)はPhase 2(Part 1)が2025年Q3開始→登録完了、DoDから追加$14Mで試験拡張。
承認済み製品:HEPLISAV-B(成人B型肝炎ワクチン)
商業基盤:HEPLISAV-B(成人B型肝炎ワクチン)+ CpG 1018(アジュバント:自社製品・外部ワクチンで使用)。
開発中(主力候補):Z-1018(帯状疱疹)— CpG 1018アジュバントのPhase 1/2候補。2026年Q3–Q4に主要データ(Part 2 topline + Part 1 12か月)を予定。
補足:買収完了後は、開発優先順位やロードマップがSanofi側の戦略で上書きされる可能性あり。
対象:帯状疱疹予防(主に50歳以上)
作用:CpG 1018 アジュバントを用いたワクチン候補
対象:H5N1(パンデミック・インフルエンザ向けPoC)
作用:H5N1ワクチン + CpG 1018(アジュバント)
対象:ペスト
作用:rF1V(抗原)+ CpG 1018(アジュバント)
対象:ライム病予防
作用:多価タンパクサブユニット + CpG 1018(アジュバント)
対象:血液透析患者
位置づけ:臨床試験というより後ろ向きコホート研究→sBLAを狙う
| パイプライン | 対象 | 臨床フェーズ | 規制デザイン | 安全性(AESI) | 用法・用量 / 併用戦略 | 市場規模イメージ | ポイント(市場評価) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| HEPLISAV-B | 成人B型肝炎(商業) | 承認済み(市販) | 承認済み製品。追加適応はsBLAの可能性(透析患者:観察研究→sBLA) | ワクチン一般のAESI(過敏反応等)を監視 | ワクチン(成人)。補完的に透析患者でラベル拡張を検討 | 中:成人肝炎Bワクチン | 買収の中核資産(商業キャッシュフローの柱) |
| CpG 1018(アジュバント) | ワクチン免疫増強(自社/外部) | 商業(供給)+開発基盤 | 自社候補(Z-1018/H5N1/Plague/Lyme等)に横展開 | アジュバント一般のAESI(発熱、注射部位反応など)を重点監視 | 抗原+CpG 1018の組み合わせ(自社/パートナー) | 中〜大:ワクチン市場全般 | “プラットフォーム収益+パイプライン加速”の核 |
| Z-1018(帯状疱疹) | 帯状疱疹予防(50歳以上) | Phase 1/2 | Part 1完了 → Part 2進行。2026年Q3–Q4に主要データ(Topline+12か月追跡) | ワクチンAESI(発熱/倦怠感/注射部位反応等)を監視 | 抗原+CpG 1018(アジュバント) | 大:帯状疱疹(高齢者中心) | 最大の近接パイプライン。Shingrix対照の差別化が焦点 |
| Pandemic Influenza(H5N1 + CpG 1018) | H5N1(パンデミック備え) | Phase 1/2 | Part 1完了 → Part 2。Topline:2026年(年内) | ワクチンAESI(発熱/注射部位反応等) | 抗原+CpG 1018(備蓄/供給の商業化余地) | 中:有事需要(備蓄) | データ次第で“供給モデル”の評価が動きやすい |
| Plague(rF1V + CpG 1018) | ペスト | Phase 2(Part 1) | 2025年Q3開始→登録完了。DoD資金で拡張 | ワクチンAESI | 抗原(rF1V)+CpG 1018 | 小:政府/防衛調達 | 公的資金で希薄化を抑えつつ推進(開示タイミングが材料) |
| Lyme disease vaccine(CpG 1018) | ライム病予防 | IND-enabling(前臨床) | 臨床入り目標:2027年 | 前臨床段階(安全性評価中) | 多価タンパクサブユニット+CpG 1018 | 中:感染症ワクチン | 中長期オプション(買収後の優先度変更リスクあり) |
- 収益の柱が明確:HEPLISAV-B(商業)+CpG 1018(アジュバント)で“商業×プラットフォーム”の二層構造。
- 最大の近接readoutはZ-1018:2026年Q3–Q4に帯状疱疹P1/2主要データ(Part 2 topline + 12か月追跡)。
- 2026年はイベントが重なる:買収クローズ(2026年Q1)→H5N1(年内)→Z-1018(Q3–Q4)。
- 買収後の“戦略上書き”が最大の不確実性:Sanofiが何を伸ばす/統合するかで、パイプラインの優先順位が変わり得る。
今回のDVAXは「買収合意(現金)+クローズ待ち」という局面のため、株価はM&Aアービトラージ色が強くなりやすいです。
一般論として、こうした局面では、(1) イベントドリブン/アーブ系が“スプレッド($15.50への乖離)とクローズ確度”を見てポジションを作り、(2) ロングオンリーは「買収が確定したら撤収 or 次の受け皿へ移動」になりやすい、という流れになります。
したがって、短期の焦点は規制・手続きの進捗で、パイプライン(Z-1018等)の評価は“買収後のSanofi方針”に左右されやすい点に注意です。
H5N1(Pandemic flu)Phase 1/2 Part 1 完了
101人でPart 1完了 → Part 2へ(Toplineは2026年に予定)。
Plague(rF1V + CpG 1018)Phase 2 Part 1 開始 → 登録完了
DoD資金で試験拡張(追加$14M)。
SanofiがDynavax買収契約を締結(1株$15.50現金)
以降はクローズに向けた手続きフェーズへ。
買収クローズ見込み(条件充足・規制手続き)
クローズ後は開発優先順位がSanofi側で再整理される可能性。
H5N1(Pandemic flu)Phase 1/2 Part 2 topline
アジュバント商業供給の拡張に繋がるかが焦点。
Z-1018(帯状疱疹)Phase 1/2:主要データ
Part 2 topline + Part 1 12か月追跡データを予定。
Lyme disease vaccine:臨床入り目標
IND-enabling完了 → 臨床開始(目標)。
Sanofi買収のクローズ進捗(規制・条件充足)、統合方針の示唆
H5N1(P1/2 Part 2 topline:年内)、Z-1018(帯状疱疹:2026年Q3–Q4主要データ)
Lyme disease vaccineの臨床入り(目標)、HEPLISAV-B透析患者sBLAの進捗アップデート
