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【ADVM】Adverum Biotechnologies カタリストとロードマップ

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承認済み製品 / 現状

承認済み製品:なし(開発中)

主力候補:Ixoberogene soroparvovec(Ixo-vec / 旧 ADVM-022)— 硝子体内投与(IVT)で抗VEGF(アフリベルセプト)遺伝子を送達、湿性AMD(wAMD)を対象。

補足:ADVM-076(補体因子I〈CFI〉過発現を狙うIVT型遺伝子治療;地理的萎縮)などが続く。Eli Lilly による買収発表で開発・商用化体制の強化が期待。

主要臨床成績
Q4 2025
Lilly による買収クローズ目標($3.56/株+条件付対価)

Q4 2025
LUNA(P2)2年追跡 追加データ提示 目安

Q1 2026
ARTEMIS(P3)登録完了 目安(wAMD)

2027年Q1–Q2
ARTEMIS トップライン 目安

臨床試験パイプライン
Phase 3 進行中
Ixo-vec(wAMD:ARTEMIS)

対象:湿性加齢黄斑変性(wAMD)

作用:IVT投与AAV(7m8)で抗VEGF遺伝子を送達し持続発現

進捗:2025-09-22 スクリーニング完了発表、登録継続中
設計:レジメン最適化下で視力/注射回数/安全性を主要評価
次読出し:Q1 2026 登録完了 → 2027年Q1–Q2 トップライン

Phase 2 追跡中
Ixo-vec(wAMD:LUNA)

対象:湿性加齢黄斑変性(長期追跡)

作用:同上(抗VEGF遺伝子の持続発現)

進捗:患者嗜好性で従来の頻回注射より Ixo-vec 選好の傾向を確認
次読出し:Q4 2025 に2年追跡の追加解析を提示予定

第2のP3(AQUARIUS)は Q4 2025 開始計画

前臨床
ADVM-076(地理的萎縮〈GA〉)

対象:ドライAMDの地理的萎縮

作用:CFI(補体因子I)過発現を狙う IVT型遺伝子治療

進捗:ASGCT 2023 でIVTプラットフォーム/CFIデータ提示
次段階:前臨床→IND 準備(優先度は買収後の体制で再評価)

パイプライン早見表
パイプライン 対象 臨床フェーズ 規制デザイン 安全性(AESI) 用法・用量 / 併用戦略 市場規模イメージ ポイント(市場評価)
Ixo-vec(wAMD:ARTEMIS) 湿性AMD Phase 3 レジメン最適化下のPivotal試験 眼内炎症・眼圧・網膜安全性を長期監視 One-and-Done を志向(IVT単回投与) 特大:網膜疾患 登録完了:Q1 2026、TL:2027年Q1–Q2
Ixo-vec(wAMD:AQUARIUS) 湿性AMD Phase 3 計画 第2のP3として開始準備 同上(炎症/眼圧等) IVT単回投与/救済注射ルールの最適化 特大:網膜疾患 開始計画:Q4 2025
Ixo-vec(wAMD:LUNA) 湿性AMD Phase 2 追跡 長期安全性・有効性フォロー 炎症/眼圧/視機能の追跡 IVT単回投与の耐久性検証 特大:網膜疾患 2年解析:Q4 2025 目安
ADVM-076(CFI/GA) 地理的萎縮(ドライAMD) 前臨床 前IND準備想定 補体系リスク(血栓/炎症)を非臨床で精査 IVT単回投与を想定 大:加齢黄斑変性領域 買収後の優先度付けが鍵
企業イベント(M&A) 買収クローズ/対価達成条件 現金+条件付対価(段階マイル) Lilly買収で資金/運営リスクの緩和期待

ポイント
  • 戦略インパクト:Lilly 買収により、資金・臨床運営・商用化資源が強化。一方、対価の多くが条件付で、マイル達成に依存。
  • 臨床の肝:P3(ARTEMIS/AQUARIUS)で視力・注射回数・安全性のバランスを証明できるか。長期の炎症/眼圧管理が重要。
  • 拡張余地:IVTプラットフォームをGA(CFI)へ横展開。優先順位は買収後のポート再編に依存。

ファンドのポジション

買収アービトラージ主体の需給と、P3進捗/追加P3開始(AQUARIUS)/LUNA追跡のヘッドラインでボラティリティが高まりやすい局面。クローズ条件や条件付対価(承認・売上マイル)の成否が中期の実現価値を左右。

開発ロードマップ
2025年Q4

Lilly×Adverum 買収クローズ目標

規制・株主承認を経て取引完了を目指す。AQUARIUS(第2のP3)開始計画、LUNA 2年追跡の追加解析も同四半期に想定。

2026年Q1

ARTEMIS 登録完了

登録完了後、データロック/解析準備へ。

2027年Q1–Q2

ARTEMIS トップライン

有効性/安全性の主要検証結果を公表予定。

注目すべきカタリスト
短期(〜2025年Q4)
Lilly買収のクローズ、LUNA 2年データ、AQUARIUS 開始IR

中期(2026年Q1–Q2)
ARTEMIS 登録完了、プロトコール遵守/救済注射の解析計画更新

長期(2027年〜)
ARTEMIS トップライン、AQUARIUS の主要進捗