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【MIRM】Mirum Pharmaceuticals カタリストとロードマップ

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【MIRM】Mirum Pharmaceuticals カタリストとロードマップ

Mirum Pharmaceuticals (MIRM) は、小児から成人までが罹患する希少疾患の治療を変革することに専心するバイオ医薬品企業です。Mirum には3つの承認薬があります。

LIVMARLI®(maralixibat)内用液/LIVMARLI®(maralixibat)錠、CHOLBAM®(cholic acid)カプセル、および CTEXLI™(chenodiol)錠。

LIVMARLI は IBAT 阻害薬で、小児および成人に影響する2つの希少な肝疾患の治療薬として承認されています。Alagille 症候群(ALGS)に伴う胆汁うっ滞性掻痒の治療については、米国(生後3か月以上)、欧州(生後2か月以上)、および世界の他地域で承認されています。

さらに PFIC 患者の胆汁うっ滞性掻痒の治療としては、米国では生後12か月以上、欧州では生後3か月以上の患者を対象に承認されています。Mirum は、胆汁うっ滞性掻痒の追加設定でのラベル拡大を目指し、第3相 EXPAND 試験を実施中です。

CHOLBAM は、単一酵素欠損による胆汁酸合成障害の治療およびペルオキシソーム病で肝疾患の徴候または症状を示す患者に対する補助療法として、FDA に承認されています。

CTEXLI は、脳腱黄色腫症(CTX)の成人患者を対象とする治療薬として FDA に承認されています。Mirum の後期開発パイプラインには、複数の希少疾患を対象とする2つの治験薬が含まれます。

Volixibat(IBAT 阻害薬)は、一次性硬化性胆管炎(PSC)を対象とする第2相b VISTAS 試験、および原発性胆汁性胆管炎(PBC)を対象とする第2相b VANTAGE 試験という、承認申請に直結し得る2つの試験で評価が進められています。

Volixibat は、PBC 患者の胆汁うっ滞性掻痒の治療でブレイクスルーセラピー指定(BTD)を取得しています。Mirum はまた、脆弱X症候群(Fragile X syndrome)という希少な遺伝性神経認知障害の治療を目的とした MRM-3379(PDE4D 阻害薬)の第2相試験の実施も計画しています。

承認済み製品 / 現状

承認済み製品:あり

LIVMARLI®(maralixibat):IBAT阻害薬。ALGSの胆汁うっ滞性掻痒(米国:生後3か月以上/EU:生後2か月以上)およびPFICの胆汁うっ滞性掻痒(米国:12か月以上/EU:生後3か月以上)で承認。2025年Q2に米国で錠剤をローンチ。

CHOLBAM®(cholic acid):胆汁酸補充療法。単一酵素欠損による胆汁酸合成障害Zellwegerなどペルオキシソーム病の補助療法(米国承認)。

CTEXLI™(chenodiol/CDCA)CTX(脳腱黄色腫症)に対する経口胆汁酸(米国承認)。

主要臨床成績
Q4 2025
MRM-3379(FXS)P2 試験開始

Q2 2026
Volixibat/PSC(VISTAS)トップライン

2026
Volixibat/PBC(VANTAGE)登録完了見込み

2026
LIVMARLI/EXPAND P3 登録完了見込み

臨床試験パイプライン
Phase 2b
Volixibat(PSC:VISTAS)

対象:一次性硬化性胆管炎(PSC)

作用:IBAT阻害(経口)

進捗:登録完了見込み:Q3 2025
主要評価:掻痒PRO、血清胆汁酸、肝胆道バイオマーカー等
次読出し:Q2 2026 トップライン

Phase 2b
Volixibat(PBC:VANTAGE)

対象:原発性胆汁性胆管炎(PBC)

作用:IBAT阻害(経口)

進捗:登録完了見込み:2026
中間所見:掻痒・sBA・疲労の多面的改善を示唆
規制:PBC掻痒でBTD取得

Phase 2(開始予定)
MRM-3379(FXS)

対象:脆弱X症候群(主に男性)

作用:PDE4D阻害(経口)

設計:多施設・無作為化・二重盲検・PBO対照・3用量
開始:Q4 2025 予定
前臨床:用量依存の行動改善シグナル

初期PoC創出 → 後期試験判断へ

上市後
LIVMARLI(ALGS/PFIC)

対象:小児ALGS・PFICの胆汁うっ滞性掻痒

作用:IBAT阻害(経口:溶液/錠剤)

製品状況:ALGS/PFICで米国・EU承認、Q2 2025に錠剤を米国ローンチ
開発:EXPAND P3(追加掻痒設定)進行、登録完了見込み:2026

パイプライン早見表
パイプライン 対象 臨床フェーズ 規制デザイン 安全性(AESI) 用法・用量 / 併用戦略 市場規模イメージ ポイント(市場評価)
LIVMARLI(maralixibat) ALGS/PFIC の胆汁うっ滞性掻痒 承認済(上市後) 小児適応拡張・剤形拡張(錠剤:Q2 2025 米国ローンチ) 脂溶性ビタミン低下、肝関連イベント等をモニター 経口(溶液/錠剤)— 小児から思春期・成人までアドヒアランス改善 希少疾患だがグローバルで着実に拡大 EXPAND P3進行、2026登録完了見込み
Volixibat(PSC:VISTAS) 一次性硬化性胆管炎(PSC) Phase 2b 潜在的登録試験デザイン 消化器系事象、脂質・胆汁酸代謝指標をモニター 経口単剤想定、症状改善と胆汁酸低下を主張軸 成人胆汁うっ滞で未充足大 登録完了見込みQ3 2025 → トップラインQ2 2026
Volixibat(PBC:VANTAGE) 原発性胆汁性胆管炎(PBC) Phase 2b BTD(PBC掻痒)/中間解析済 上記に同じ 経口単剤中心、標準治療との併用余地 成人胆汁うっ滞で未充足大 登録完了2026見込み(掻痒・sBA・疲労で改善傾向)
MRM-3379(PDE4D阻害) 脆弱X症候群(FXS) Phase 2(Q4 2025開始予定) 無作為化・二重盲検・PBO対照・3用量 PDE4クラス既知の消化器・中枢系事象に留意 経口単剤で行動尺度のPoC創出 → 後期試験判断 中:希少中枢領域 前臨床で用量依存の行動改善、差別化仮説あり
CHOLBAM(cholic acid) 胆汁酸合成障害/Zellweger等 承認済(米国) 肝機能悪化時の中止等ラベル注意 経口補充療法 小規模だがニッチをカバー 希少胆汁酸製品ラインの基盤製品
CTEXLI(chenodiol) CTX(脳腱黄色腫症) 承認済(米国) 肝障害等に留意 経口胆汁酸 超希少領域 ライン拡張によるポートフォリオ安定化

ポイント
  • 小児希少胆汁うっ滞での先行者:LIVMARLIの適応・剤形拡張でフランチャイズ拡大。PFICは米国で12か月以上へ拡大済。
  • 成人胆汁うっ滞への水平展開:VolixibatがPSC/PBCでP2b後期段階。PBC掻痒でBTD取得。
  • 中枢希少疾患パイプライン:MRM-3379がQ4 2025にP2開始予定。希少中枢でのPoC創出を狙う。
  • 収益基盤:CHOLBAM/CTEXLIにより胆汁酸ポートフォリオの底上げ。2025年Q2売上$128M、通期$490–$510M見通し。

ファンドのポジション

(例)大手機関の保有動向は四半期ごとに更新されるため、直近の13F/13D/13G等の開示に基づき別表で補足可能。PFIC/ALGSの実需拡大とVolixibatのP2b後期進展が機関の着目点。

開発ロードマップ
完了:2025年Q2

LIVMARLI 錠剤(米国)ローンチ

小児から思春期・成人までのアドヒアランス改善と普及拡大を後押し。

完了:2025年Q3

VISTAS(PSC)登録最終段階

登録完了に向けた最終手続き・サイトクローズ準備。

2025年Q4

MRM-3379(FXS)P2 開始

多施設・無作為化・二重盲検・PBO対照・3用量で初期PoCを検証。

2026年Q2

Volixibat/PSC(VISTAS)トップライン

掻痒PRO・sBA等の主要アウトカム読み出し。

2026年

VANTAGE(PBC)登録完了/LIVMARLI EXPAND 登録完了

成人胆汁うっ滞・追加掻痒設定のエビデンス蓄積を完了し、次段階へ。

注目すべきカタリスト
短期(〜2025年Q4)
MRM-3379 P2開始(FXS)/VISTAS 登録完了

中期(2026年H1)
Volixibat/PSC トップライン(Q2 2026)

長期(2026年〜)
Volixibat/PBC 登録完了、LIVMARLI/EXPAND 登録完了 → 承認戦略の明確化