企業 / ティッカー | 開発品(通称) | モダリティ / 作用機序 | 臨床フェーズ | 主要デザイン / 評価 | 有効性シグナル(抜粋) | 安全性・特記事項 | 今後のカタリスト(Q表記) | メモ(差別化ポイント) |
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Sarepta / SRPT | SRP-9001(Elevidys) | AAVrh74ベクター+micro-dystrophin 遺伝子治療 | 市販中(米) / 追跡・ラベル拡大試験継続 | P3(EMBARK等):RDBPC、主要:NSAA、バイオ:筋生検でmicro-dystrophin発現 | NSAAでサブグループ優位/一部全体解析は接戦;発現は一貫して確認 | トランスアミナーゼ上昇等はステロイドで管理;免疫関連事象監視 | Q4 2025–Q2 2026:ラベル拡大の規制更新/RWEアップデート | 先行上市+製造体制の優位。適応拡大の行方が売上レンジを左右 |
Avidity / RNA | AOC 1044(exon 44) | 抗TfR1ペプチド結合siRNA(AOC)でスキッピング誘導 | Phase 1/2(EXPLORE44) | 多施設;分子(スキッピング/ジストロフィン)+機能(歩行/筋力) | 初期でスキッピング誘導とde novoジストロフィン産生のシグナル | これまで概ね良好;免疫・肝/腎の定期モニタリング | Q1–Q2 2026:拡大コホート/用量・間隔最適化データ | 受容体介在送達で全身筋への分布を狙う |
Dyne / DYN | DYNE-251(exon 51) | 抗TfR1 Fab結合PMO/siRNAハイブリッド系(FORCE)でエクソン・スキッピング↑ | Phase 1/2(DELIVER) | 多施設RDBPC;分子(スキッピング・ジストロフィン)+機能(歩行/握力/PRO) | 用量相関のスキッピング増とジストロフィン誘導の初期所見 | 概ね良好レンジ;CKや肝酵素のモニタリング継続 | Q4 2025:コホート追加解析、2026:P3設計ガイダンス | 全身送達と反復投与での一貫性が強み |
Wave / WVE | WVE-N531(exon 53) | ステレオピュアAON(PN化学修飾)でスキッピング誘導 | Phase 2相当(拡大/最適化中) | オープンラベル;分子(スキッピング/発現)+機能探索 | 筋生検でスキッピング↑、ジストロフィン誘導は低〜中一桁%台の報告域 | 長期反復投与の忍容性を注視 | Q4 2025–Q2 2026:用量最適化/開発方針更新 | 化学合成品の量産容易性と経時最適化が利点 |
Solid Bio / SLDB | SGT-003 | 新規AAVカプシド+micro-dystrophin 遺伝子治療 | Phase 1/2(新規投与量漸増) | オープンラベル/用量段階;筋生検の発現+機能探索 | 初期バイオでmicro-dystrophin発現の報告(n少) | 肝酵素上昇はステロイド標準化で管理;免疫関連に注意 | Q1–Q2 2026:追加コホート/用量反応の更新 | 新規カプシドでの組織指向性・免疫回避に期待 |
PepGen / PEPG | EDOペプチド結合AONで核内送達↑ → スキッピング誘導 | 開発中止(2025年にDMDから撤退) | — | — | — | — | DM1に経営資源を集中(EDOプラットフォームは継続) |
モダリティ別の勝ち筋
・AAV遺伝子治療(SRPT/SLDB)
単回投与の魅力と引き換えに安全性(肝/免疫)・持続性・再投与不可などの構造リスク。承認・商業化実績はSareptaが先行。
・エクソンスキッピング(DYN/WVE/RNA…)
反復投与で漸進的に積むモデル。筋内到達性(デリバリー)と実効ジストロフィン量→機能転化が肝。Dyne/Avidity は送達技術で差別化狙い。
・変異集団のカバー率
Exon番号で対象母集団が変わる(例:Exon 51 は DMD の約13%前後、Exon 44はやや少なめ)。対象患者の “大きさ” も各社の商業性を左右。
・規制・エビデンス要求
承認後は機能アウトカム(NSAA/6MWT/肺・心)での有意な差維持が重視。非遺伝子治療陣営は確実な機能ベネフィットの提示が鍵。