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【ORIC】ORIC Pharmaceuticals カタリストとロードマップ

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【ORIC】ORIC Pharmaceuticals カタリストとロードマップ

ORIC Pharmaceuticals(ORIC)は、がん治療でよく起きる「効かなくなる(耐性)」を攻略するのがテーマの臨床バイオ。

主要パイプラインは2本

・ORIC-944(前立腺がん、Ph1b)

主要パイプラインのこちらは、
1. 作用機序が “de-risked”(理屈としては既に成立してきた領域)
2. これまでのデータで差別化の芽が見えている
3. 市場規模が大きい
4. 前立腺がん領域は大手が買いに来やすく、戦略的価値(M&A価値)が出やすい歴史がある

競合比較(重要ポイント):
ゴールドマンは、Pfizer のより先行する「mevrometostat」を引き合いに出し、クラスとしての有効性を “先行薬が証明してくれれば”「ORIC-944」のリスクは下がる(de-risk)。一方で、2番手でも差別化できる余地がある(=944のポジションは残る)という見立て。

売上見積もり:ピーク売上 $2.6B、PoS 40%
ただしゴールドマン自身が「適応の広がり、治療率、シェア次第で保守的かも」と含みを持たせています。
→ 言い換えると、今後のデータ次第でモデル上振れ余地がある、という示唆。

・enozertinib(肺がん、Ph1b)

「プロファイルは成立している(viable)」としつつ、評価はやや控えめ。狙っている肺がん集団が希少(rare)=市場が小さめ
さらにその領域は競争が激しい。

売上見積もり:ピーク売上 $0.8B、PoS 44%
PoS は944より少し高いが、市場が小さく競争も強いので、投資ストーリーの主役にはなりにくい…というニュアンスです。

投資家が見るポイント

今は「ORIC-944」の用量最適化データにカタリスト。ここで「効く/効かない」だけでなく、“差別化できる用量・安全性・継続性” が見えるかが焦点となる。

1H26の登録試験開始(=開発の本気度と資金・設計の確認)、Pfizer(mevrometostat)の進捗、先行薬が成功すると「このクラスは本物」になり、944の見え方が良くなる可能性もある。

一方「enozertinib」は “成立してるが主戦場は小さい” 扱い。何か強い差別化データが出れば別だが、現状はサブ要素に近い。

近況

1/13 (火) の JPM で、前立腺がんを対象とした「ORIC-944」の用量拡大/最適化アップデート(1Q26、カンファレンスではなし)を前に、市場期待に関する言及を探る。

承認済み製品 / 現状

承認済み製品:なし(開発中)

主力候補:ORIC-944(EED結合型PRC2アロステリック阻害)— 前立腺がん(mCRPC)でAR阻害薬との併用を中核に開発。

補足:ORIC-114(enozertinib:EGFR/HER2 Ex20・atypical変異向け、脳移行性を特徴とするTKI)。

ORIC-533(CD73阻害・多発性骨髄腫)は直近の会社コミュニケーション上、非コア(外部主導/提携での価値最大化)の位置づけ。

主要臨床成績
2026年Q1
ORIC-944:AR併用の用量最適化データ(次段階設計に直結)

2025年Q4
ORIC-114(enozertinib):ESMO Asia 2025で臨床データ更新

2026年Q2–Q3
enozertinib:1L主要コホート(atypical EGFR単剤/EGFR Ex20+SCアミバンタマブ併用)データ

2028年Q4 目安
運転資金の目処(会社開示ベース:into 2028

臨床試験パイプライン
Phase 1b
ORIC-944(PRC2/EED阻害)— 前立腺がん

対象:mCRPC(AR阻害薬〈アパルタミド/ダロルタミド等〉併用)

作用:PRC2複合体のEEDに結合するアロステリック阻害(エピジェネティクス再プログラム)

進捗:P1b(AR併用)でデータ蓄積。会社は用量最適化を進め、次段階(レジストレーショナルを含む)を検討。
有効性シグナル:会社開示ではAR併用でPSA50応答を中心に反応を提示(カットオフ更新あり)。
次読出し:2026年Q1:用量最適化データ → 2026年:次段階試験の設計/始動(会社方針)

Phase 1b
ORIC-114 / enozertinib(EGFR/HER2)— NSCLC

対象:EGFR Ex20・HER2 Ex20・Atypical EGFR変異陽性NSCLC(CNS転移含む)

作用:脳移行性のEGFR/HER2選択的TKI(Ex20/atypicalに活性)

進捗:2L+の単剤拡大に加え、1Lでの拡大(単剤/併用)を計画・推進。
設計:CNS転移(治療済/未治療・無症候)も組入れ可能な枠組みで展開。
次読出し:2026年Q2–Q3:主要1Lコホートのデータ更新目安(会社資料)

Phase 1(実施済)
ORIC-533(CD73阻害)— 多発性骨髄腫

対象:再発/難治性多発性骨髄腫

作用:アデノシン経路(CD73)阻害による腫瘍免疫活性化

位置づけ:直近の開示では、経営資源はORIC-944/ORIC-114へ集中(ORIC-533は非コア/外部主導の選択肢)。
次段階:外部主導での併用PoC機会や提携を探索する整理。

資源配分はORIC-944/114へ集中

パイプライン早見表
パイプライン 対象 臨床フェーズ 規制デザイン 安全性(AESI) 用法・用量 / 併用戦略 市場規模イメージ ポイント(市場評価)
ORIC-944(PRC2/EED阻害) mCRPC(AR阻害薬併用) Phase 1b AR併用で用量最適化→次段階(レジストレーショナルを含む)設計へ 血液学的・肝酵素・疲労などを標準監視(長期投与を意識した管理) アパルタミド/ダロルタミド等との併用最適化(治療ライン/患者背景で層別の可能性) 大:前立腺がん PSA応答中心にシグナルを積み上げ、2026年Q1の用量最適化更新が次段階の分岐点
enozertinib(ORIC-114) NSCLC(EGFR/HER2 Ex20・Atypical、CNS転移含む) Phase 1b 2L+拡大→1L拡大(単剤/併用)→次段階の登録戦略を検討 皮疹・下痢等のEGFR-TKI典型AESI+中枢移行に伴う中枢系イベントを監視 単剤(atypical含む)+ 1Lで併用戦略(会社資料でSCアミバンタマブ併用の枠組み) 大:肺がん(サブセット) 脳移行性と変異カバレッジで差別化を狙う。主要更新目安:2026年Q2–Q3
ORIC-533(CD73阻害) 多発性骨髄腫(再発/難治) Phase 1(実施済) 次段階は外部主導/提携でPoCを模索 免疫関連・感染リスクを標準監視 併用含めて外部主導の試験機会を探索 中:血液腫瘍 非コア化。944/114の進捗次第で“オプション価値”

ポイント
  • 集中と選択:開示上のメッセージはORIC-944(mCRPC併用)ORIC-114(enozertinib)の2本に集中。
  • 944の投資家チェック項目:「PSA応答の質」だけでなく、用量最適化→次段階設計(対象集団/比較設計/評価項目)がバリュエーションを決める局面。
  • 財務余力:会社は運転資金の目処をinto 2028と説明(時点開示ベース)。

開発ロードマップ
完了:2025年Q4

enozertinib(ORIC-114)データ更新(ESMO Asia 2025)

Ex20/atypical+CNS転移を含む開発のデータ/進捗をアップデート。

2026年Q1

ORIC-944:AR併用の用量最適化データ

至適用量と次段階(レジストレーショナルを含む)設計の土台を固める局面。

2026年Q2–Q3

enozertinib:主要1Lコホート読出し(会社資料の目安)

1L atypical単剤/1L EGFR Ex20+SCアミバンタマブ併用などの更新を想定。

2026年(Q2–Q4 目安)

次段階(登録戦略)へ

ORIC-944/ORIC-114のデータに基づき、登録を見据えた試験設計・始動を進める方針。

注目すべきカタリスト
短期(〜2026年Q1)
ORIC-944 用量最適化データ(次段階設計の確度が上がるか)

中期(2026年Q2–Q3)
enozertinib 主要1Lコホート更新(単剤/併用の勝ち筋が見えるか)

長期(2026年Q4〜)
次段階(登録戦略)の具体化・開始、資本政策/提携の動き