
2025年11月12日:2025年Q3決算と事業アップデートを発表。telitacicept を中核とする自己免疫戦略へのフルピボット、現金・現金同等物および有価証券$170.5M、運転資金の目処は2027年Q2までと開示。
2025年6月27日:RemeGenとtelitaciceptのグローバルライセンス契約(中国・香港・マカオ・台湾を除く全世界)を締結。Upfront $45M+warrants $80M、合計$125M規模、将来マイルストン最大$4.1B超+ロイヤルティ。
2025年Q3までに:trem-cel / VCAR33など既存のeHSC/CD33プログラムの開発を大幅に縮小・停止し、リソースを自己免疫領域(telitacicept)へ集中する戦略的再編を実行。
中国では telitacicept がSLEで承認済み、RA・gMG・pSS などでPhase 3完了/進行中。RemeGen主導のグローバルgMG Phase 3が米国・欧州・南米で登録中で、2027年Q2にトップラインが見込まれている。
承認済み製品:なし(開発中)
主力候補:telitacicept(TACI-Fc 融合タンパク;BAFF/APRIL 二重阻害)— 全身性エリテマトーデス(SLE)、全身型重症筋無力症(gMG)、関節リウマチ(RA)、原発性シェーグレン症(pSS)など B細胞ドリブン自己免疫疾患を対象。
補足:過去の eHSC/CD33 プログラム(trem-cel、VCAR33ALLO 等)は 2025年に戦略的レビューの一環として開発を大幅縮小・停止し、現在は telitacicept を核とした自己免疫ポートフォリオに経営資源を集中。
対象:成人の全身型重症筋無力症(AChR抗体陽性を含む)
作用:BAFF/APRIL を二重に阻害する TACI-Fc 融合タンパクにより自己抗体産生 B細胞や長寿命形質細胞を調整
対象:活動性の全身性エリテマトーデス(SLE)
作用:BAFF/APRIL 二重阻害により自己抗体産生とB細胞活性を抑制し、補体異常や臓器炎症を改善
対象:関節リウマチ(RA)、原発性シェーグレン症(pSS)ほか B細胞ドリブン自己免疫疾患
作用:BAFF/APRIL 経路ブロックにより自己抗体と慢性炎症を抑制
| パイプライン | 対象 | 臨床フェーズ | 規制デザイン | 安全性(AESI) | 用法・用量 / 併用戦略 | 市場規模イメージ | ポイント(市場評価) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| telitacicept(BAFF/APRIL 二重阻害) | 全身型重症筋無力症(gMG) | Phase 3(グローバル) | 二重盲検ランダム化 P3(RemeGen 主導)。Vor Bio は Ex-China での登録・商業化を担当。 | 感染症(上気道・帯状疱疹等)、低Ig血症、ワクチン応答低下など免疫抑制関連を重点監視。 | 皮下投与(SC)。単剤ベースだが、ステロイド・他免疫抑制薬からのステロイドスパリング/減量を狙う。 | 大:gMG グローバル市場(既存 biologics による治療も高価) | BAFF/APRIL 二重標的の first-in-class/early best-in-class 候補。 主要バリュー・ドライバーは2027年Q2の P3 データ。 |
| telitacicept(SLE) | 全身性エリテマトーデス | Phase 3 完了(中国)→ Ex-China 戦略検討 | 中国で P3 完了・承認済み。Ex-China では既存データ+追加試験での登録経路を当局と協議予定。 | 感染症、低補体、血液学的異常など SLE+免疫抑制に関連するAESI。 | 皮下投与。標準治療(ステロイド、抗マラリア薬、既存 biologics)との併用最適化を検討。 | 大:SLE グローバル市場(高未充足) | 中国での承認済みデータがあるため、Ex-China 登録のレバレッジが効くストーリー。 |
| telitacicept(RA / pSS等) | 関節リウマチ、原発性シェーグレン症 ほか B細胞性自己免疫疾患 | Phase 3(中国)+ Ex-China 開発計画段階 | 中国で複数 P3 が進行・登録完了。Ex-China は gMG/SLE の結果を踏まえて優先度を決定。 | 感染症、注射部位反応、免疫グロブリン低下などクラス特有のAESI。 | 皮下投与。JAK阻害薬や既存 biologics との差別化を意識したポジショニング。 | 大:RA/pSS を含む自己免疫市場 | 成功すればマルチインディケーション化が可能で、ロイヤリティ+マイルストンのアップサイドが大きい。 |
| eHSC/CD33 プログラム(trem-cel, VCAR33ALLO 等) | AML/MDS など血液腫瘍(移植適格/再発) | 開発停止・戦略的レビュー | 既存の Phase 1/2 試験で得られた知見を保持しつつ、新規投資は凍結。提携や資産売却などのオプションを模索。 | 骨髄抑制、感染症、移植関連合併症などをフォローアップ中。 | 将来的に第三者との提携やスピンアウトの形で再活用される可能性。 | 中:ニッチだが高アンメットな移植適格集団 | 現在の株主バリューの中心ではなく、オプション価値として位置付け。 |
- 事業構造の大転換:2025年に eHSC/CD33 プログラムから撤退・縮小し、telitacicept を核とする自己免疫バイオへフルピボット。開発リスクは一本化する一方で、モダリティ・ターゲットは既に大規模 Phase 3 で検証済み。
- 大型ライセンスの非希薄なレバレッジ:RemeGen との契約で、中国以外の全世界権利を獲得。Upfront $125M(現金+warrants)に加え、最大 $4.1B 超のマイルストンと高シングル〜ダブルディジットのロイヤリティ構造。
- 財務余力:2025年Q3 時点で現金・有価証券 $170.5M、2027年Q2までランウェイとガイダンス。大規模公募に頼らず、既存キャッシュ+将来のマイルストンで中期開発を回せる見込み。
2025年11月時点で、RA Capital Management、FMR(Fidelity)、Paradigm BioCapital などが 13D/13G を通じて Vor Bio のポジションを新規/再構築しています。
eHSC 時代のストーリーから一度外したファンドも、「telitacicept ピボット後の自己免疫バリュー」に着目して買い戻している形で、グローバルgMG Phase 3 成功を起点としたマルチインディケーション展開に対するオプション・ベットと解釈できます。
telitacicept グローバルライセンス契約締結
RemeGen から中国を除く全世界の開発・商業化権を取得。Upfront $125M により長期的な自己免疫パイプラインの柱を獲得。
戦略的再編(eHSC から自己免疫へピボット)
trem-cel / VCAR33 などの血液腫瘍プログラムを縮小/停止し、人員・コスト構造を telitacicept 中心に再構築。
普通株式の1対20の株式併合を実施
翌営業日始値から併合後株価で取引開始。新CUSIP:929033207。上場維持基準の充足と機関投資家向けの取引単価の最適化を狙う施策。
2025年Q3決算&telitacicept戦略アップデート
gMG をアンカーとした開発/規制パス、SLE/RA/pSS への拡張オプション、キャッシュランウェイ(2027年Q2)を投資家向けに明示。
gMG Ex-China の規制戦略アップデート
FDA/EMA との協議を通じて、グローバル Phase 3 データの扱い・追加試験の要否・登録パスを具体化。
gMG グローバル Phase 3 トップライン
主要評価項目(MG-ADL 等)の達成可否、安全性プロファイルを基に、Ex-China での BLA/MAA 提出タイミングと適応戦略を決定。
telitacicept ピボット後のフルイヤーガイダンス、gMG/SLE/RA/pSS の優先順位、キャッシュランウェイとライセンス条件の詳細開示。
gMG Ex-China 登録パスの具体化(追加試験・ブリッジング設計)、SLE/RA/pSS などの適応拡大に向けたロードマップ更新。
gMG グローバル Phase 3 トップライン → BLA/MAA 提出・承認可否、SLE/RA/pSS などマルチインディケーション展開とロイヤリティ/マイルストンの実現。
