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【CRBP】Corbus Pharmaceuticals カタリストとロードマップ

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【CRBP】Corbus Pharmaceuticals カタリストとロードマップ

ESMO25 において頭頸部扁平上皮癌および子宮頸癌における「CRB-701」の堅牢な臨床反応を発表

CRBP の Nectin-4 標的 ADC「CRB-701(SYS6002)」について、Ph3 に進むに足る初期シグナル(特にHNSCC 3.6 mg/kgのORR 47.6%)+忍容性プロファイル。

会社も2026年半ばのレジストレーショナル開始を公表。Fast Track×2 は加点。リスクは眼毒性/長期毒性の管理、用量維持時の持続性(DoR/OS)、および後治療ラインの不均一性。

ポジティブな点

・ORRが歴史対照を明確に上回る(後治療HNSCCで ~10–15%が多い中、3.6 mg/kgで ~45%前後のシグナル)。
・忍容性が比較的良好(末梢神経障害は軽度中心、用量維持が現実的)。
・Fast Track 取得+会社がレジストレーショナル(P3相当)入りを示唆している=規制面・開発意欲の追い風。
・mUCや子宮頸がんでも横展開できる手応え(適応拡張の余地)。

ただし注意(ここが詰めどころ)

・母集団が小さくデータが初期:DoR/OSの成熟度がまだ不足。
・高用量での眼毒性マネジメント(角膜炎など)をP3でどう運用・予防するか。
・他社の新規治療(EGFR系・他ADC)との相対位置:比較は層別や前治療の違いでブレるため、ランダム化データが必要。
・スイムプロット未反映の未確認PRなど、集計の“ゆらぎ”は今後の更新で修正され得る。

ボトムライン

投資/開発の観点では前向き:P3に進むロジックは十分。ただし真価はDoRとOSで決まります。
目先の評価基準(私見)
– HNSCC(重前治療)でORR ≥30–35%の再現性
– 中央値DoR ≥6–8か月、できれば1年生存(OS-12)で優位傾向
– 安全性プロファイルが許容範囲(減量/休薬ルールで臨床的に回せる)

承認済み製品 / 現状

承認済み製品:なし(開発中)

主力候補:CRB-701(Nectin-4 標的ADC, MMAE, DAR=2)— 固形がん(HNSCC/子宮頸がん/mUC 等)を対象。Phase 1/2

補足:CRB-913(高末梢指向 CB1 逆作動薬, 肥満;Phase 1)、CRB-601(抗αvβ8 mAb, TGFβ活性化阻害;Phase 1)。

主要臨床成績
Q4 2025
CRB-701:ESMO 2025で拡大コホート初公開 / RP2D確定目安

Q4 2025
CRB-913:SAD/MAD トップライン公表予定

Q4 2025
CRB-601:単剤用量漸増の初回データ予定

Q2 2027
ランウェイ目安(2025年Q2時点の開示ベース)

臨床試験パイプライン
Phase 1/2
CRB-701(Nectin-4 ADC)

対象:固形がん(HNSCC / 子宮頸がん / mUC など)

設計:単剤用量最適化→拡大、pembrolizumab 併用アーム進行中

進捗:2.7/3.6 mg/kg で用量最適化継続、併用アームは2025-06開始
規制:子宮頸がん(R/R mCC)で Fast Track 取得
次読出し:Q4 2025(ESMO 2025/Poster #967P、RP2D確定目安)

Phase 1
CRB-913(CB1 逆作動薬・肥満)

対象:肥満(まず非糖尿病者)

設計:SAD 完了 → 7日MAD進行中 → Phase 1b 用量探索へ

SAD所見:安全性/PK良好。中枢系有害事象なし
次読出し:Q4 2025 に SAD/MAD トップライン、同時期に Phase 1b 開始見込み

Phase 1
CRB-601(αvβ8 mAb / TGFβ活性化阻害)

対象:進行固形がん(免疫チェックポイント不応を含む)

設計:単剤用量漸増 → 抗PD-(L)1 併用パートへ拡張

進捗:2024-12に FiH 初回投与、用量漸増中
次読出し:Q4 2025 に単剤用量漸増データ、併用進捗を更新

抗PD-(L)1 との感作・相乗を探索

パイプライン早見表
パイプライン 対象 臨床フェーズ 規制デザイン 安全性(AESI) 用法・用量 / 併用戦略 市場規模イメージ ポイント(市場評価)
CRB-701(Nectin-4 ADC, MMAE, DAR=2) HNSCC / mCC / mUC などの固形がん Phase 1/2 P1/2:単剤用量最適化→拡大、pembrolizumab 併用拡張 ADCクラス:皮膚毒性、末梢神経障害、好中球減少、IRR 等を重点監視 単剤(2.7/3.6 mg/kg)最適化中 → 免疫併用で感作を検証 大:オンコロジー主要適応 第三世代リンカー/DAR=2で差別化。
Q4 2025 ESMO 初公開&RP2D確定目安、mCCで Fast Track。
CRB-913(CB1 逆作動薬) 肥満(まず非糖尿病者) Phase 1 SAD→7日MAD→Phase 1b(用量探索) CB1クラス:気分/中枢系事象に留意(末梢指向設計で低減狙い) 経口単剤。将来は GLP-1/GIP などとの併用余地 大:肥満 SADで中枢系AE報告なし。
Q4 2025 トップライン→Phase 1b へ。
CRB-601(抗αvβ8 mAb) 進行固形がん(免疫不応含む) Phase 1 FiH単剤用量漸増→抗PD-(L)1併用へ 免疫関連有害事象、肝酵素、IRR 等を監視 静注単剤→抗PD-(L)1 併用で相乗を探索 大:オンコロジー Q4 2025 単剤用量漸増データ。
TGFβ活性化阻害で免疫不応の脱抑制を狙う。

ポイント
  • ADC×免疫の中核戦略:CRB-701 は ESMO 2025 で拡大コホート初公開、Fast Track 取得済(mCC)。第三世代リンカー/DAR=2 で安全性/有効性バランスの最適化を狙う。
  • 肥満領域の非GLP-1アプローチ:CRB-913 は高末梢指向の CB1 逆作動薬として差別化、Q4 2025 に SAD/MAD トップライン。
  • 免疫不応へのブレイクスルー:CRB-601 は αvβ8 阻害で TGFβ活性化を抑制し抗PD-(L)1 感作を志向、Q4 2025 に単剤データ。
  • 財務余力:2025年Q2時点の現金等で Q2 2027 までのランウェイ見通し。

開発ロードマップ
完了:2025年Q2

CRB-701 併用アーム開始 / CRB-913 MAD 開始

CRB-701+pembrolizumab 初回投与(6/25)。CRB-913 は SAD 完了→7日 MAD へ移行。

2025年9月16日

CRB-701(Nectin-4 ADC):HNSCCで FDA Fast Track 指定

再発/転移性 HNSCC(プラチナ・抗PD-(L)1既治療)を対象。Phase 1/2 継続中(用量最適化)。本指定は2つ目(1つ目は2024年Q4の子宮頸がん)。2025年10月19日にESMOで用量最適化データ初公表予定。

2025年Q4

CRB-701:ESMO 2025(Poster #967P)/ RP2D 確定

拡大コホートの初公開。RP2D を確定し適応別デザインへ。

2025年Q4

CRB-913:SAD/MAD トップライン → Phase 1b 開始

非糖尿病肥満での用量探索に着手。

2025年Q4

CRB-601:単剤用量漸増データ

安全性/初期シグナルを確認し、抗PD-(L)1 併用パートに拡張。

2026年

次段階移行・併用最適化

701/601 の適応別 Phase 2 設計提示・併用拡張、913 の Phase 1b 完了→フェーズ移行判断。

注目すべきカタリスト
短期(〜2025年Q4)
CRB-701:ESMO 初公開&RP2D確定 / CRB-913:SAD/MAD トップライン / CRB-601:単剤データ

中期(2026年)
CRB-701/601 の適応別 Phase 2 設計・併用拡張、CRB-913 の Phase 1b 完了と次段階判断

長期(2027年〜)
上記プログラムの後期試験移行・登録戦略の明確化