
26Q1のカタリスト「tovecimig(DLL4×VEGF-A)/ paclitaxel の追加解析」のポイント
無作為化 P2/3(COMPANION-002:2L BTC、2:1割付)で ORR 17.1% vs 5.3%(p=0.031)と主要項目を達成済み。副次のPFS/OS はイベント不足でQ1 2026解析へ後ろ倒し。
会社は「死亡が想定より少ない=OSに好影響の可能性」と示唆。試験はクロスオーバー許容設計。PFS/OS の解釈に影響し得るため、統計補正の有無に注目。
・PFS HR/中央値、カーブ分離のタイミング
・OS(補正前後)のHRと有意性、long-tailの有無
・DoR/DCRなど “効きの粘り”
・Grade≥3・中止率・RDI(安全性/運用)
・DLL4/血管新生シグネチャ等の探索解析
・クロスオーバー率/後治療のバランス
これらが揃ってプラスに出れば、2L BTCの新スタンダード候補としてP3完遂または登録パス議論が一気に現実味を帯びます。逆にOSが弱い/安全性が重い場合は、バイオマーカー選別や1L併用路線での再最適化が焦点になります。
出口が見えた?
現時点の CMPX は、すでにBTC 2L ピボタル相当試験で primary endpoint(ORR)達成、かつセカンダリー(PFS/OS)が2026 Q1 readout 予定で、それがBLAに直結し得るという意味で、レジストレーションパスが見えつつあるレイト〜中期にかなり近づいている段階です。
Q1 2026 で OS/PFS がきれいに出た瞬間に、出口かなり見えたレイトステージへ格上げ、というイメージです。逆に、OSがフラット〜弱い、安全性で思ったより問題がある … となると、「BTC 2L 単独での出口」はぼやけてしまいます。
Q1 2026:OS/PFS(+安全性)で “BTC 2L でのBLAが現実的か” がほぼ決まり、ここで「BLA確度が高そう」と市場が判断したら、2H 2026 BLA、2027〜28 承認/ローンチまでのストーリーがかなり明確に引けるので、このタイミングから M&A spec / 大型機関の本格イン流入のフェーズになり得ると思います。
承認済み製品:なし(開発中)
主力候補:tovecimig(旧CTX-009, DLL4×VEGF-A)— BTC(胆道がん)2L など。
補足:CTX-8371(PD-1×PD-L1), CTX-471(CD137アゴニスト), CTX-10726(PD-1×VEGF-A)を含む多様な二重特異性/免疫アゴニスト管線を展開。
vs 5.3%(主要達成)
ランウェイ:〜2027年
対象:BTC 2L(COMPANION-002)/DLL4陽性バスケット(計画)
投与:tovecimig+パクリタキセル ほか
対象:固形がん(post-ICI, NSCLC/TNBC 含む)
所見:深い PR(NSCLC/TNBC)を確認
対象:NCAM(CD56)陽性腫瘍バスケット ほか
所見:Phase 1 で忍容性/活性を確認
対象:固形がん
所見:前臨床で ivonescimab 比の優越性を示唆
| パイプライン | 対象 | 臨床フェーズ | FDA評価 | 規制デザイン | 安全性(AESI) | 用法・用量 / 併用戦略 | 市場規模イメージ | ポイント(市場評価) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| tovecimig(DLL4×VEGF-A) | 胆道がん 2L/DLL4+バスケット | Phase 2/3 | Fast Track | イベント駆動(PFS/OS)・登録試験設計へ移行可能性 | クラス留意:高血圧/蛋白尿/出血、消化管関連、肝機能 | Q2W 静注想定/抗PD-1・化療とのシーケンス最適化を検討 | 中〜大:BTC 後治療+他適応への拡張余地 | ORR 主要達成、Q1 2026 PFS/OS が鍵(レジストレーション可否の分岐) |
| CTX-8371(PD-1×PD-L1) | post-ICI 固形がん(NSCLC/TNBC) | Phase 1 | — | 適応探索型 P1(用量漸増→拡大型) | 免疫関連事象(irAE):皮膚/肝/腸/内分泌を重点監視 | Q3W 静注想定/再チャレンジ集団での単剤→併用探索 | 大:免疫再挑戦需要が厚い | 深い PR シグナル、Q4 2025 拡大型開始とバイオマーカーで評価上振れ余地 |
| CTX-471(CD137) | NCAM(CD56)陽性腫瘍 | Phase 2 開始予定 | — | シングルアーム拡大型→無作為化へ段階進行 | 免疫刺激に伴う肝酵素上昇/インフュージョン反応 | Q3W 静注想定/PD-1 等との併用で相乗狙い | 中:選択的バイオマーカー集団 | 翻訳研究と患者選択の精度が成否。初期PoCでの持続性(DoR)に注目 |
| CTX-10726(PD-1×VEGF-A) | 固形がん | IND前 | — | First-in-human(SAD/拡大型)計画 | 免疫関連事象+抗VEGFクラス(血圧/蛋白尿/出血) | Q3W 静注想定/初期は単剤→抗VEGF/化療併用へ拡大 | 大:免疫+血管新生の掛け算 | Q4 2025 IND、2026 初期臨床データで差別化仮説の検証 |
「Tovecimig」は、DLL4(Delta-like ligand 4)と VEGF-A(vascular endothelial growth factor A)という2つの標的に同時に作用するバイスペシフィック抗体(bispecific antibody)です。
CMPX はこの薬剤を、まずは胆道がん(biliary tract cancer=BTC)を対象に第2/3相試験「COMPANION-002」などを進めています。
2025年第2四半期の報告によれば、COMPANION-002 試験において主要評価項目(ORR/全体反応率)を達成という発表があり、死亡数も想定より少ないという傾向が示されています。
今後、PFS(無増悪生存期間)や OS(全生存期間)などの副次エンドポイントの発表が2026年第1四半期ごろとガイダンスされています。
また、2004‐2025年10K報告には、「Tovecimig」の開発契約内容として、韓国の ABL Bio, Inc. からグローバル(韓国除く)ライセンスを獲得している旨が記載されています。
tovecimig は BTC 2L の無作為化試験で ORR を主要達成。死亡イベント不足により PFS/OS 解析が Q1 2026 へ—生存上乗せ示唆に期待。CTX-8371 は post-ICI 患者で深い PR を示し、Q4 2025 に拡大型開始。CTX-471 は 2025年下期 P2 始動予定、CTX-10726 は Q4 2025 IND で 2026 データ創出を目指す。資金は Q2 2025 時点で $101M、翌日の増資で追加余力を確保。
tovecimig 無作為化試験で主要達成
ORR 17.1% vs 5.3% を達成。PFS/OS 解析に向け追跡継続。
主要プログラムの前進
CTX-8371:拡大型(NSCLC/TNBC)開始・学会更新/CTX-471:P2 開始/CTX-10726:IND 提出。
tovecimig PFS/OS 解析
生存アウトカムの可視化 → 登録/規制方針の具体化。
新規 MoA 群の初期有効性
CTX-8371 拡大型の初期有効性/CTX-10726 の初期臨床データ創出。
CTX-8371 拡大型開始・学会発表、CTX-471 P2 開始、CTX-10726 IND 提出
tovecimig の PFS/OS 解析(登録戦略明確化)、8371/10726 の初期有効性
tovecimig バスケット/1L 上乗せ試験の展開、二重特異性群の併用最適化
