
2025年Q3決算が好調
2025年Q3決算で「OJEMDA」の売上が伸びて通期ガイダンスも上方修正。処方と新規導入が四半期ベースでしっかり増加。会社が決算で明言しているのは以下の3つのポイントです。
・売上・処方とも過去最高の四半期
Q3のOJEMDA売上は $38.5M(前四半期比+15%)、四半期の処方数(TRx)は 1,256件(前四半期比+18%)。新規患者開始も +19% と増加しました。これがそのまま売上を押し上げています。
・需要の底堅さを背景にガイダンス上方修正
年初来(Q3まで)の米国OJEMDA売上が $102.6M に達し、通期売上見通しを$145–150Mへ引き上げ。会社は「基礎需要の強さ」を根拠に挙げています。
・データで処方者の確信が強まっている
Q3の新規導入増(+19%)は、FIREFLY-1の2年追跡データが後押しになったと会社が説明。さらに3年追跡データを 11/23 のSNOで口頭発表予定で、継続的なデータ更新が採用を促しています。
補足的には、NCCNで成人BRAF変異グリオーマに対する推奨(Category 2a)に追加されたこともアカデミック/臨床現場での認知・信頼醸成に寄与(適応は小児pLGGですが、薬剤自体への評価が高まる材料)と会社は示しています。
要するに、(1)処方数・新規導入の加速=実需、(2)耐久性データの積み上げ=処方者の自信、(3)ガイダンス上方修正=それらの定量的反映、の三拍子で今季の数字が良化し、通期見通しも引き上げられた、という構図です。
承認済み製品:OJEMDA™(tovorafenib, DAY101)
適応:BRAF 異常(融合・再配列または V600 変異)を有する 再発/難治の小児低悪性度神経膠腫(pLGG) に対し 迅速承認(2024/4/23)。継続承認は確認試験での有益性検証が条件。
主力候補(開発中):DAY301(PTK7標的 ADC, トポイソメラーゼI系ペイロード)。成人進行固形がんで P1(用量漸増/拡大)実施中。
対象:再発/難治の小児 pLGG
特長:Type II pan-RAF 阻害薬(BRAF V600/野生型BRAF/CRAF を阻害)、脳移行性の経口剤
デザイン:標準化学療法 vs tovorafenib 単剤の国際無作為化第3相
目的:迅速承認の確認試験(完全承認に向けたエビデンス確立)
対象:成人進行固形腫瘍(用量漸増/拡大)
構成:ヒト化 PTK7 抗体 + エグザテカン系ペイロード(Topo-I)
| パイプライン | 対象 | 臨床フェーズ | 規制デザイン | 安全性(AESI) | 用法・用量 / 併用戦略 | 市場規模イメージ | ポイント |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| OJEMDA™(tovorafenib, DAY101) | 再発/難治 pLGG(BRAF 異常) | 承認済み | 迅速承認(2024/4/23)。確認試験(P3)で継続承認の可否を判断 | 皮膚関連(発疹・乾燥・色素変化)、 肝酵素/CK上昇、消化器症状(悪心・下痢)等のモニタ |
経口QW単剤を基本。既治療後ラインでの使用。 併用は試験ベースで選択的に検討 |
中〜大:小児脳腫瘍の希少市場だが高いアンメット | 商業化進展:Q3’25売上 $38.5M(Q/Q +15%)、 通期ガイダンス$145–150M(2025)に上方修正。 |
| tovorafenib(FIREFLY-2 / LOGGIC) | 一次治療 pLGG | Phase 3 | 迅速承認の確認試験(無作為化P3) | 上記に同じ(皮膚/肝酵素/CK/消化器の継続監視) | 経口QW単剤を前提。標準療法に対する優越/非劣性を検証 | 中〜大:一次治療での浸透が鍵 | 登録完了1H 2026見込み。主要評価解析→完全承認申請へ。 |
| DAY301(PTK7 標的 ADC) | 成人進行固形腫瘍 | Phase 1 | FIH 3+3用量漸増→拡大コホートで腫瘍種別探索 | Topo-I ADCクラス:骨髄抑制(好中球減少)、 消化器(悪心・下痢・口内炎)、肝酵素上昇、 間質性肺疾患/肺炎リスクのモニタ |
IV投与。Q3W/Q4Wなど低頻度レジメンを探索。 腫瘍種別で単剤→併用展開を検討 |
大:Topo-I ADCクラスの拡張余地 | RP2D決定後に腫瘍種別拡大・登録的試験を視野。 |
OJEMDA は Type II pan-RAF 阻害薬として脳移行性と有効性が評価され、再発/難治 pLGG で迅速承認を取得。
FIREFLY-2(一次治療 P3)は迅速承認の確認試験であり、登録完了(1H 2026見込み)→追跡終了→主要評価解析の流れで完全承認の可否が左右されます。
商業面では Q3’25 売上 $38.5M、TRx 1,256、通期ガイダンス$145–150Mへ上方修正と、需要の底堅さを示しました。
OJEMDA 迅速承認(再発/難治 pLGG)
FIREFLY-1(P2)を根拠に迅速承認。確認試験(P3)が継続承認の条件。
商業化進捗アップデート
売上 $38.5M(Q/Q +15%)、TRx 1,256(Q/Q +18%)、通期ガイダンスを $145–150M へ上方修正。
FIREFLY-1:3年追跡データ
長期有効性・安全性の成熟データを外部発表予定。
FIREFLY-2 登録完了(一次治療 pLGG)
追跡完了→主要評価解析→完全承認申請の土台に。
完全承認(sNDA)申請の可能性
P3 成功を前提に、継続承認から完全承認へ移行を目指す。
FIREFLY-1 の3年追跡データ更新、DAY301-001 の初期安全性・有効性シグナル
FIREFLY-2登録完了(一次治療 pLGG)。その後の追跡・主要評価解析の見通し明確化
FIREFLY-2 結果に基づく完全承認(sNDA)の可否、DAY301 の RP2D 決定と腫瘍種拡大
