以下は、2025年8月16日に開示された、スタンリー・ドラッケンミラー氏の Duquesne Family Office による、2025年第2四半期(Q2)の13F報告に基づくポートフォリオの動向です。
BREAKING: Stanley Druckenmiller (Duquesne family office) just filed their new 13F.
They sold out of their Tesla $TSLA position, added $SPY and $IWM calls.
Can see full activity at the link: https://t.co/4fEnWEEU0s pic.twitter.com/W6rvVPDkQs
— unusual_whales (@unusual_whales) August 15, 2025
ドラッケンミラーのようにマクロ投資を得意とするファンドは、景気や政策、企業業績の見通しに応じて柔軟に銘柄を入れ替えるのが特徴です。
今回のQ2では、特にテクノロジーや成長株への新規・追加投資が目立つ一方で、リスクが高まった一部銘柄を整理する動きも確認されました。
それでは、具体的な内容を見ていきましょう。
新規ポジション
IWM コールオプション 3,350株相当
SPY(S&P500 ETF) 900株
NTRA コールオプション 1,145株
INSM コールオプション 1,000株
ENTG(Entegris) 1,645,885株(約2.29億ドル)
MSFT(Microsoft) 200,930株(約1.05億ドル)
WBD(Warner Bros Discovery) 6,537,160株(約77百万ドル)
EQT 1,292,440株(約66百万ドル)
C(Citigroup) 666,300株(約62百万ドル)
XLF(金融セクターETF) 985,300株(約52百万ドル)
SE(Sea Limited) 309,730株(約55百万ドル)
NU(Nubank) 3,415,365株(約45百万ドル)
増加させた銘柄
TEVA(Teva Pharma) +7.32% → 15,968,935株(約2.85億ドル)
INSM(Insmed) +64.60% → 2,253,435株(約2.88億ドル)
TSM(TSMC) +27.77% → 765,085株(約1.83億ドル)
FLUT(Fluence Energy) +7.38% → 400,302株(約1,19百万ドル)
DOCU(DocuSign) +20.08% → 1,290,440株(約91百万ドル)
ROKU +12.25% → 1,100,590株(約97百万ドル)
LLY(Eli Lilly) +6.16% → 1,085株(約71百万ドル)
完全売却した銘柄
FLEX(Flex) – 348,890株
EXE – 97,700株
AR(Antero Resources) – 258,400株
PI(Impinj) – 108,475株
TSLA(Tesla) – 18,838株
RARE(Ultragenyx) – 85,445株
AAL(American Airlines) – 133,728株
STX(Seagate)コールオプション – 全売却
DAL(Delta)コールオプション – 全売却
UAL(United Airlines)コールオプション – 全売却
減少させた銘柄
NTRA(Natera) -9.32% → 3,154,140株(時価約5.03億ドル)
VWD(WWD?) -22.67% → 848,910株(約2.40億ドル)
PM(Philip Morris) -26.17% → 815,975株(約1.36億ドル)
CPNG(Coupang) -55.87% → 4,105,230株(約1.16億ドル)
COHR(Coherent) -47.89% → 1,257,440株(約1.08億ドル)
PFの注目ポイント
完全売却:Tesla, American Airlines, Ultragenyx などハイボラ株を一掃。航空関連はポジションをほぼ全撤退。
大型新規:Microsoft、Warner Bros Discovery、Entegris を新規取得。
製薬バイオ強化:Teva、Insmed、Lilly を増加。Natera など一部ヘルスケアは縮小。
中国・新興国関連:Sea(SE)、Nubank(NU)に新規投資。Coupangは半分以上削減。
ヘッジETF:IWMコール、SPY、XLF など指数・金融セクターETFでのポジション取り。
洞察
ドラッケンミラーは、航空・一部ハイテクから撤退し、製薬・半導体・インデックスETF・新興国フィンテックにシフトしています。
ドラッケンミラー 2025Q2 Top10 保有銘柄ランキング
順位 | 銘柄 | 保有株数 | 評価額 (約) | 前期比 | コメント |
---|---|---|---|---|---|
1 | Natera (NTRA) | 3,154,140株 | 5.03億ドル | ▼ -9.3% | 遺伝子検査バイオ。依然として最大ポジション |
2 | Insmed (INSM) | 2,253,435株 | 2.88億ドル | ▲ +64.6% | 呼吸器系バイオ。強気に大幅買い増し |
3 | Teva Pharma (TEVA) | 15,968,935株 | 2.85億ドル | ▲ +7.3% | 汎用薬の巨人。バリュー投資色 |
4 | Entegris (ENTG) | 1,645,885株 | 2.29億ドル | 🆕 新規 | 半導体材料。半導体回復テーマ |
5 | WWD(Woodward?) | 848,910株 | 2.40億ドル | ▼ -22.7% | 航空宇宙系?一部利確か調整 |
6 | TSMC (TSM) | 765,085株 | 1.83億ドル | ▲ +27.8% | 半導体本命株を積み増し |
7 | Philip Morris (PM) | 815,975株 | 1.36億ドル | ▼ -26.2% | 生活必需セクターを縮小 |
8 | Coherent (COHR) | 1,257,440株 | 1.08億ドル | ▼ -47.9% | 光学部品。大幅削減 |
9 | Microsoft (MSFT) | 200,930株 | 1.05億ドル | 🆕 新規 | ビッグテック再参入 |
10 | Coupang (CPNG) | 4,105,230株 | 1.16億ドル | ▼ -55.9% | 韓国EC大手。半分以上削減 |
・TOP3(NTRA・INSM・TEVA) だけで 約10億ドル超 を占める → バイオ製薬に大きな比重。
・半導体(TSM・ENTG・COHR) を合わせると 5億ドル規模。ドラッケンミラーは半導体循環を強く意識。
・MSFT新規IN が象徴的。テック再度組み込み開始。
・伝統バリュー株(PM) は縮小しつつも、まだTOP10に残る。
・Coupang は韓国ECの期待株だが半減 → 新興国投資は選別色強め。
このランキングから見ると、ドラッケンミラーは 「バイオ製薬 × 半導体 × ビッグテック(MSFT)」の三本柱に重点を置きつつ、周辺にバリュー株・新興国株をスパイス的に入れてる感じです。